IFAにおける証券会社(金融商品取引業者)の違い

今回は、IFAとして独立したあと、お付き合いすることになる各証券会社の違いを書いていこうと思います。代表的な証券会社のみなりますが、これらの証券会社を抑えておけば、今のIFA業界では問題ないでしょう。

 

・各証券会社によって、報酬率やシステム、コンプライアンスのルール等も違ってきます。契約する証券会社が増えれば、それぞれに手続きする必要があります。

 

・通常は代表証券と言って、金融庁に登録をしてもらう証券会社を1社決め、そこが中心となります。

 

・代表証券が一番労力がかかる。別の証券会社と乗り合いをするとなると、収益が分散するので、通常は嫌がられる。

 

・外務員が増えた時などの登録も代表証券がやってくれます。

 

では早速個別に紹介していきます。

 

楽天証券 

・ネット証券業界2番手。新規契約は法人のみ。IFA業界に最も力を注いでいる証券会社。

・システムの使いやすさは圧倒的に1位。事務手続きの簡素化やペーパレス化も進めていて、IFA業者としてはありがたい。

・IFA業者が使うサイト上で、国内株式、海外株式、投資信託、為替、ネット証券で取り扱いがある債券の注文が流せる。

・注文時間も基本24時間システム上で流せる。

・仕組債やネットで取り扱いがない債券は、楽天証券に依頼し発注。

・受注から発注まで5分以上乖離がある場合、または楽天証券に発注を依頼する場合は仲介補助簿(注文伝票)の記入が必要。

。コールセンターはあるが、受注はしてもらえず問い合わせのみ。

・株式の手数料は、通常通りと優遇の2パターンがある。

投資信託の手数料は、優遇や無料、またはNISAのみ無料など幅広く対応してくれる。

・外債の量は他社と差はなし。条件も標準。売却の際も手数料を調整できる。

・仕組債の条件はやや悪い。外国株参照の場合は米ドル建てのみ株券償還に対応している。外国株式参照で円建ての場合はノックインしたら現金償還。

・POやIPOの取り扱いが少しあるが、完全抽選。

・顧客からの注文は、必ずしも録音の電話に残さなくても良い。営業日誌の記入は必須。

・一部、前受けの免除(ネット証券は基本前受け)や代理人の申請ができる。

楽天の担当者は若い人が多く、頼りない面もある

コンプラは厳しめ

・報酬率は、半年ごとに判定があり、決められた様々な項目(手数料の金額や口座数、資産導入額)をクリアしていれば、ステージがあがる。

・トータルで見て楽天証券が最も良いと思います。

 

SBI証券

・ネット証券最大手。新規契約は法人(証券会社出身)のみ。子会社にマネープラザというIFA業者がある。

・システムはSBI証券のコールセンターのシステムをそのまま使っているので、使いづらい。

・事務手続きはやや複雑でわかりづらい。楽天証券にくらべ、お客様からSBI証券に直接依頼して頂かないといけない手続きが多い。

・IFA業者が使うサイト上で、国内株式、投資信託、為替、ネット証券で取り扱いがある債券の注文が流せる。

・ネットで取り扱いがない債券や、外国株式、仕組債はSBI証券に依頼し発注。

・米株の発注も16:45ごろまでにSBI証券に依頼しないといけない。

・受注から発注まで5分以上乖離がある場合、またはSBI証券に発注は依頼する場合は仲介補助簿(注文伝票)の記入が必要。

・注文伝票も少し書きづらい。

・コールセンターで受発注もしてくれる。

・株式の手数料は通常と安いコースを選べる

投資信託の買い付け手数料も調整できる。

・外債の量は少し多め。仕組債も各種条件をつけられる。円建ての外国株式参照も通常通り、ノックインしたら株券償還対応。

・POやIPOの取り扱いが多い。ただし、良いIPOをもらおうとすると、あまりそうな募集モノもやらないといけない。

・注文は電話録音必須。営業日誌も記入する必要あり。

コンプラは厳しめ。

・担当者はベテランの人もいるが、人数が少なく忙しくしている。

・報酬率はこちらの手数料によって決まる。交渉になるのでアバウトな面もある。

・取り扱い商品も豊富で、楽天証券の次に良いと思います。

 

あかつき証券

・対面の中堅証券会社。特徴は仕組債の条件がよい。子会社に新しくIFA業者を設立。

。元々、株の回転売買が主力の証券会社なので、遅れている面も多い。

・システムは非常に使いづらい。注文の発注はできない。前日べ―スの残高をみる事と営業日誌を記入するために使う。

・全ての注文の発注はあかつき証券に電話連絡。受注の電話は必ずしも録音に残さなくても良い。

・米株の発注は16:30までにあかつき証券に依頼。

・前受けの免除(ネット証券は基本前受け(楽天証券は一部免除あり))や代理人の申請ができる。

メガバンク等の銀行からの自動振替を設定できる。買い付け代金を、電話一本であかつき証券の口座に振り込んでくれる。

・米国株式の店頭取引がある。

・75歳以上でも仕組債が組める。

・仕組債の条件がすぐ出てくる。1時間以内。他社は半日から1日かかる。

・仕組債の条件が他社より良い。

・債券や投資信託の取り扱い本数は少なめ。

・担当者は現場の営業経験者がほとんどなので、こちらの話を理解してくれる。

・体質が古いところが残っているので、印鑑のいる書類が多い。メールだけで完結しない手続きが多い。

・こちらに対しての営業の電話が多い。

・手数料を多くやると、クイックを無料で使わせてくれる。

・お客さんもネットで注文は出せない。(楽天SBI証券は出せます)

・PO・IPOの取り扱いはほぼない。

コンプラは緩め。

・報酬率はこちらの手数料と交渉によってかわる。

 

東海東京証券

・東海の準大手証券会社。最近IFA業者に参入。

・システムに力を入れている。

・対面証券でトヨタの役員や大株主を相手にしているので、富裕層向けのサービスが充実している。そのサービスをIFAにも提供している。

・定年退職になった自社の営業員を、IFA業者に紹介してくれる。

・マーケットの開設などの資料が豊富。

・担当者に証券業務の知識や経験のある人が多い。

 

エース証券

・中堅証券会社。個人も契約してくれるので、契約数は最多。

・株の回転売買が主力。

・システムは使いづらい。

 

 

以上。ざっとになりますが、個人的な目線で各証券会社の違いについて書いてみました、